山城ごはん story

京都の台所を支える食の楽園、山城。そんな山城で「食」を育てる人たちをご紹介します。

杉田農園

杉田農園

杉田充「普通のトマトは嫌いなんですよね」。甘さだけじゃない、本当に美味しいトマトを追い求めるが故にそんな風にトマトを語る杉田さんです。

意外とトマトにはいろんな個性があるものです。甘いトマト、酸味の強いトマト。杉田さんの目指すトマトはそのバランスが良く、「糖度だけじゃなくて、酸味も甘みもしっかりあるけれども、しつこくない」トマト。そんな杉田さんが育てるトマトは、全てがハウス栽培。何故、路地ではなくハウスを選択したのか、そして育てたいトマトとはどんなものなのか、お伺いしました。

トマトが求める環境を提供したかった。

「やっぱり美味しいトマトを提供したいんですよね。」という杉田さん。その為に、「やっぱり、天候とかに左右されない環境下で」トマトを育てたい、というのが杉田さんのトマト作りの根本。
美味しいと思うトマトを生産する為には「ちゃんとコントロール」できることが必要、その為に路地ではなく、ハウスを選択したのです。

さながらトマト研究者

昔はお茶の栽培も手がけていたという杉田さん。トマトはお茶とは全く逆の考え方で育てている、と言います。「お茶って、成長を抑制して、養分を蓄えさせるんですけど、成長を加速させるのが僕のトマト栽培の考え方」。光合成をさせる、木の成長・実の肥大を促進させることでしっかり味・栄養分を蓄えたトマトを出荷できるのです。

単純に栄養を与えるのか、といえばそういうことでもありません。光と温度・二酸化炭素を吸う環境・湿度をどう与えるのか、その時に水をどう吸い上げるのか、「全体のバランスを突き詰めていく」という姿勢はさながらトマト研究者です。

旨さの秘密は地下水にあり?

そんな風にコントロールしながらトマトを栽培する杉田さんですが、自然の力を借りる農業である限り、安定して美味しいトマトを作るのは難しい。でも、時にはトラブルを起こす自然の要因も美味しいトマトを作り出す為には必要なのです。特に「水」。実は杉田農園で使用する水は全て地下水。田辺は木津川の作り出した盆地に位置し、栄養分の豊富な地下水が利用できる環境です。「水道水を使うとやっぱりまずいし、美味しいトマトを作り出すにはこの地下水があってこそ」なのです。

追い求めるトマトとは?

取材にあたり、「僕はトマトが嫌いなんですよ」。というびっくり発言をする杉田さん。「いやそれはね、美味しい時期のトマトを知ってしまってるからなんです。」だから、そんな自分が美味しいと思えるトマトを買ってもらえる人には食べて欲しい。甘み・酸味・旨みがしっかりある、バランスの良いトマトを目指し、日々研究を重ねています。

オススメの食べ方は?

1日・2日、常温で保存した後、食べてると、酸味が抜けので、甘みが好きな方は少し日が経ってからの方が良いです。一週間は日持ちするそうなのですが、やはり杉田さんが目指すバランスの良さを味わうには購入後すぐに食べるのがオススメです!

大地の力を借りながら。

代々農家の生まれだった杉田さんが農業をすることには全く抵抗がなく、親の代の家業である農業が「面白そうだから」という理由で農家になることを決めたそうです。20代で農業を仕事として始めた当初は海老芋・茄子も育てていたのですが、26歳の時に祖父・父が亡くなったことがきっかけで「トマトとお米」に絞ったことがトマトにのめり込むきっかけになったのだとか。

肥沃な大地と豊富な水を湛える田辺の大地ですが、「耕作放棄地も多く、僕らの年代の農家も少ない」そうです。そんな田辺の自然の力を借りながら、トマトと向き合い続ける杉田さんは、次世代へ田辺の農業を引き継ぐ役割も担っておられるのかもしれません。

杉田農園の食材

食を育て・作る人

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