山城ごはん story

京都の台所を支える食の楽園、山城。そんな山城で「食」を育てる人たちをご紹介します。

森田製茶

森田製茶

森田真希たとえ美味しくても本当のお茶らしくない製品は出さない。そんなこだわりでおうすにも使われる高級なお茶作りを守り続ける甜茶農家さん。

木津川市神童子は木津川市の中央部に位置し、山間の土地にお茶の生産農家が点在します。木津川市の平野部から近いのですが、お茶の生育に適した気候のこの土地では古くからお茶の生産が盛んでした。森田さんはそんな神童子でお茶を育てながら、そのお茶を使った製品を提案している農家さん。神童子のご自宅と茶畑を訪ねました。

晴れない谷、神童子不晴谷でお茶を育てる

「ここら辺の住所なんですけどね、晴れない谷なんですよ。」そう言われて頂いたお名刺を見返して驚きました。住所が神童子不晴谷(ふせだに)。特に冬は霧がかかりやすく、日光が当たりにくい土地。「だからね、お茶の生産には本当に適した土地やと勝手に思ってるんですよ。」という森田さん。

京都は全体的に寒暖の差が激しく、特に山城地域の東部山間部はこの傾向が強いです。また、木津川などふんだんに水を讃える土地柄、寒暖の差に当たって霧が出やすく、お茶の生産に適した気候であることはこのあたりが古くからお茶の産地だったことを考えるとうなづけます。

天気と会話をするようなお茶の世話

「お茶には霜は大敵でね。。」寒ければ、翌朝に霜がかかってしまうことを警戒しないといけない。新芽の時期は覆いをかぶせて日光を防ぎ、痛むことを防がないといけない。ただ、直射日光はちゃんと当ててあげる必要はある。。。「お茶の生産時期は四六時中面倒見なあかんのですわ」というお茶の栽培。しかも神童子の山あいに何箇所も広がる森田さんの茶畑を回るのはとても大変なのです。

でも、あまりそれが苦では無いように語るのは、そうやって手をかけることで美味しいお茶を提供したいという想いがあるからなのです。

 

美味しいお茶のお菓子を。

お茶離れが顕著になったのは今から5年前ほど。森田製茶の主力製品である抹茶も販売量の減少が目に見えるようになったそうです。そこで、お茶離れをなんとか食い止めるためにも抹茶を使った新しい製品の開発に乗り出したわけです。

製菓用の抹茶との違い

着眼したのがチョコレート。普通の抹茶チョコレートには、「私たちお茶の農家がイメージする抹茶の味がしない」ために、あんまり美味しく感じなかったそうです。(森田さん曰く、お茶の『くみた味』がするため。)そこには、「製菓用の抹茶」と「茶道のおうすでも飲めるような抹茶」との違いがありました。森田製茶で作っていて、普段から慣れ親しんでいるのは石臼でちゃんと引いた抹茶。だから、製菓用の抹茶を使ったお菓子を食べても美味しく感じなかったのですね。

石臼で挽くのは本当に時間がかかります。動画を見て頂いてもわかる通り、機械が引いてくれるとはいえ少しづつしか引いてくれません。それでも、風味や抹茶本来の味・香りのためには「やっぱり石臼にはこだわりたい」という森田さん。同じ茶葉でもちゃんと手をかけて完成させたお茶と、手をかけていないお茶では全く違うのだそうです。

 

お茶の文化を広めるためのツールの一つがチョコレート。今後はアイス・ジェラートなどを商品化の予定。その他にはドレッシングなど、様々な商品で抹茶を使った商品を計画。ただ、お茶の農家としてのこだわりとして本物の抹茶の味がしないものは例え美味しくても出さない、というのがポリシー。今後の森田製茶の商品展開が楽しみです!

食を育て・作る人

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